慢性膵炎ノート

明るく!慢性膵炎生活

慢性膵炎と診断されたら(2/6ページ)

  私の場合はかなり長期にわたって続いた頑固な上腹部の痛みが、ある日「ミラクリッド」という点滴薬で嘘のようにスーッと消えた、という経験があります。(ちなみに、他の検査数値にほとんど異常のない私にとって、この体験が自分の症状が膵炎由来のものであると思える唯一の根拠です。)しかし、一回目では非常に効果のあった点滴も数年後の増悪期には全く効きませんでした。理由はよくわかりません。
  痛みが強い場合には痛み止めも処方されるかも知れません。「コスパノン」「ブスコバン」「ロキソニン」「ボルタレン」などの製品名が一般的です。ただ、膵炎の痛みにはあまり痛み止めは効かないということがよく言われます。
  以上が代表的な薬ですが、もう少し詳しくお知りになりたい方はこのページ左側の「慢性膵炎の薬」をクリックしてください。また、漢方薬にも膵炎に処方されるものがあるようです。(私はまだまとめきれていませんが。)
  最後に膵炎の薬の特徴ですが、大変残念なことに、膵炎で処方される薬はどれも、膵炎そのものを根治させるものではありません。炎症を起こしている細胞そのものを正常に戻したり、炎症を起こすメカニズムを完全に正常化するというわけではないのです。薬の開発は今なお進められているとは思いますが、今までの薬が行うことのできる仕事は、炎症をかかえて傷んでる膵臓が、あまり仕事をしなくていいように、膵臓そのものを休ませるということだけです。ですから、膵臓の完全機能回復を望むのではなく、膵臓の悪化を防ぐ、という意味合いで薬を服用しているということです。
  もちろん、だからといって薬に意味がないということではありません。フオイパンなどが効果を発揮するのは、多少時間がかかることが多いようなのですが、徐々にではあっても、荒れている膵臓が落ち着きを取り戻すことで、症状としてはかなり和らぐことが期待できます。ですから、即効性はなくても全体としてはよい方向にむかうことが多いので、気長に服用を続けられるとよいと思います。(もちろん劇症の場合は気長ではいられないので、入院、絶食などの処置が必要な場合があります。)

日常生活について

  薬物療法と同じくらい重要なことが、生活面での対応です。具体的には食生活での節制とストレス対策です。膵炎の発症には特発性で原因が不明なものもありますが、多くがアルコール性など生活習慣に起因していますので、生活面での改善が病気の今後に大きく影響してくると思います。
  まず食の節制ですが、この最大なものが禁酒です。男性の場合、慢性膵炎の原因の大半がアルコールによるものらしいのですが、もし慢性膵炎と診断されてしまったら、その日から「定め」だと思ってお酒とは永遠に決別するべきです。(と、どのアドバイスも説いています。)しかし、私もそうですが、現実にはアルコールと決別することは至難の業です。アルコール性慢性膵炎の患者をよく知るお医者さんに以前聞いたのですが、患者のうち9割が酒をやめられないそうです。何度も急患で病院に運ばれて命を縮める人が多かったという話でした。私の職場に来られるお医者さんは、「カオルさん、アルコールは飲んでないですよね。長生きしましょうねぇ」と定期健診の度に優しく脅してくれます。アルコールをやめられない限り寿命が縮まってしまうと覚悟しなければならないようです。(残念ながらそうなのです。ホントに残念。)
  もう一つの食の節制ですが、それは、脂質の制限です。

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