慢性膵炎ノート

明るく!慢性膵炎生活

慢性膵炎の症状(その2)

<背部痛>

  背部痛は膵炎の痛みの大きな特徴だそうです。膵臓はお腹よりも背中までの距離の方が近いからかもしれませんが、痛みが背中に「抜ける」とか「放散」するという言い方がされます。私は初めて医者に慢性膵炎の診断を受けた時に「背中が痛くありませんか」と聞かれました。実はそれまで背中の痛みは意識したことがなかったのですが、単純というか暗示に弱いというか、その翌日から背中が本当に痛くなりました。(それは今でも不思議です。)背中の痛みの位置ですが、比較的調子がいいときは、膵臓の真裏あたりが痛むのですが、増悪期には背中の左側の下の方、ちょうど左脇腹の真裏のあたりが痛みます。かつてひどい時は、その部分に矢でも刺さっているのではないかと思える程、狭い範囲の強い痛みが四六時中続き、普通の生活を送るのも苦しい有様でした。そんな痛みをこらえながら、それを忘れようと、ブログをせっせと更新したことを覚えています。また、ある時期、背中を後ろから圧迫されるような痛みで目が覚めるということが続きました。前日に食べたものの消化がうまくいかなかったのかもしれませんが、背中への圧迫で目が覚め、しばらく横になったりして我慢し、起きて生活をしているといつの間にかなくなっているというような痛みでした。
  背中の痛みで最悪だったのは、膵臓の真裏が、まるで誰かが背中から膵臓をワシづかみにしているのではないか、という程痛くなった時期でした。そういう場合は、職場でちょっとした事務上の失敗に気づくとか、同僚や上司と意見が合わず対立的状況になるとか、私に聞こえるようなところで嫌みのような噂話をされるなど、少しでもドキッとする緊張場面があると、瞬間的に傷口に触られたかのように痛みのレベルが跳ね上がりました。それが個人的には過去最悪の状態で、当時は食事もろくに摂れず、2、3ヶ月で7キロほど痩せました。後から考えてみますとこの時期は仕事であまりにも多くのストレスを抱えていた時期で、精神的にもやや不安定で、そのことが膵臓の悪化につながったのかも知れません。
   背中の痛みに限ったことではありませんが、ストレスというのが膵臓には大敵のようで、漠然とした印象かも知れませんが、ブログやホームページで知り合いになった患者さんの方には几帳面で、仕事や私生活でのストレスをかなり抱えておられる方が多いような気がします。
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<下 痢>

  慢性膵炎は消化酵素を分泌する膵臓の機能の異常ですから、消化がうまくいかず、それが下痢症状となって現れるということは、ある意味当然のように思われます。ただその下痢が一時的な膵臓の不調によるものなのか、あるいは慢性膵炎が何年も続いたうえでのものなのかによって意味が大きく変わるようです。『膵臓の病気』(保健同人社 小泉勝)という本によりますと、「慢性膵炎では患者さんの10%に下痢が見られ」るそうですが「一時的な胃腸運動の機能障害や一過性の吸収低下によるもので、原因不明のことも多い」とあります(p59)。ただ、深刻なのは進行した場合の下痢で、膵臓の炎症が長年にわたって続き、膵臓の組織の「線維化」が原因で消化酵素の分泌機能が低下してしまうと、下痢症状が改善しなくなるようです。ただ、そこまで行くには、個人差はあるものの、かなりの過程(相当な痛みが続く、とか何年も慢性膵炎が続くなど)があるようなので、下痢症状だけで慢性膵炎の末期ということにはなりませんので、下痢だからといってあまり心配され過ぎない方がよいと思います。本当に進行したうえで下痢症状に至るには、何年もの自覚症状があるのが普通だと思われます。  また、末期ですと脂肪を消化する酵素がなくなっているために、脂肪分が便に残るいわゆる「脂肪便」という便となり、これは臭いが強烈で黒っぽい便だそうです。
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