慢性膵炎ノート

明るく!慢性膵炎生活

慢性膵炎の種類(その2)

  そういえばブログやサイトに寄せられる皆さんの声の中には、もともとお腹が弱かったり、別の内臓の病気であったりといった人が多いということに思い至ります。私自身も子供の頃からよくガスがでる症状があったり、若い時から便がゆるいことが多かったということがあります。
  元々お腹の健康にどこか不安定さを抱えている人が、酒好きであり、長期間その習慣を続けると非常に発症しやすくなるということなのかもしれません。
  またアルコール性膵炎の人がアルコールを飲むとなぜ痛くなるか、ということについては、アルコールが起こすいろいろな悪い作用が複合的にかさなっているようです。『膵臓の病気』(小泉 勝)という本では、大体次のようなことが書かれています。
    ①アルコールを分解してできるアセトアルデヒドという物質が膵臓の細胞を直接傷つける。
    ②十二指腸への入り口が塞がって、胆汁や膵液が膵管内へ逆流する。
    ③同じく膵管内の圧力も上昇し痛くなる。
    ④アルコールにより膵液が変化し、膵管内にたんぱく栓をつくり、痛くなる。
    ⑤フリーラジカルという悪玉が発生し、膵臓の細胞を傷つける。
  ④と⑤は仮説という感じの書き方になっていますが、全体的に思うのは、アルコールの多飲によって膵臓の機能が弱くなっていて、そのため普段は何も異常はなくても、アルコールが入ると過敏に傷ついてしまう、ということなのではないかということです。いい例えになるかどうかわかりませんが、怪我をしたときの傷口が、なかなかふさがらないような状態で、何もしなければ痛くはないが、少しでも触ると痛くなる、という状態でしょうか。(素人である私個人の感覚なので当てにはなりませんが。)

<特発性慢性膵炎>

  膵炎に限らず医学用語では「原因不明」の場合に「特発性」と呼ぶ習慣があるようです。「原因不明性」や「原因不詳性」では名称としてカッコ悪いのかもしれません。もともと病気の中で原因がはっきりしているものはそんなに多くないような気がするのですが、慢性膵炎も特に女性の場合は特発性が大半を占めます。女性の場合、大体6割から7割が特発性で、女性の慢性膵炎の原因の第1位です。先述のようにアルコール性を除いてしまえば本来特発性についても男女比の差はないのかもしれません。


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