慢性膵炎ノート

明るく!慢性膵炎生活

慢性膵炎と診断されたら(3/6ページ)

日常生活について(つづき)

  普段お酒を飲まない方にとっては脂質の制限が最も心理的ダメージが大きいことかも知れません。脂質の含まれる食品というと、天ぷらや、肉に付いた油の部分などを想像される方が多いかも知れませんが、実際に脂質を制限して分かることは、実は普段何気なく「おいしい」と感じる部分の中心が実は脂質だということです。
  私が膵炎になった直後に口にできなくなったものは、まず普通の牛乳でした。脂肪分3%などのものです。牛乳を飲むと、ちょうど牛乳が通過する内臓の部分が痛くなりました。それから肉類。焼肉やステーキなど「全面的に肉です」という料理は論外としても、カレーや野菜炒め、豚汁、ポトフなど少し肉が含まれているような料理も食べられませんでした。楽しくありません。タンパク質はもっぱら魚で摂取しました。また、パンをおいしくしてくれるバターやマーガリンも脂質のカタマリなのでもってのほかでした。代わりにジャムを塗ったり、納豆を乗せました。(納豆トーストは現在でも続けています。)ケーキやクッキー類もバターが多く含まれているので危険です。おやつとして常食であったポテトチップスも実は全体の30~40%が脂質であることを知り、食べられなくなりました。同様に「揚げせんべい」も禁忌でした。脂質の少ない食品である野菜は大丈夫でしたが、野菜をおいしく食べられるようにしてくれるドレッシングやマヨネーズは脂質でできている(ようなもの)ために使えませんでした。代わりに「ノンオイル」のドレッシングを使いました。カップ麺もフライ麺は高脂質です。
  このように、普段何気なく食べていて「おいしい」と感じるもの、食べ物においしさを加えてくれるような食品にはほとんど脂質が含まれていることがわかりました。脂質を制限するというのは、つまり「おいしさを犠牲にする」ということだったのです。そう考えると、この病気が大変憎むべきものに思えました。
  ただ、膵炎の症状は一定ではなく、改善もします。ですから診断を受けられたならば、まず数ヶ月は我慢することが大事だと私は思います。悪い状態の時は、低脂質のものに耐え、いかにおいしく食べるか、という点で工夫されるとよいと思います。ノンオイルのドレッシングでも、中にはまあまあかな、というものがあったりします。脂質の少ないおやつとして、「するめ」や「焼きせんべい」などもあります。低脂肪の牛乳など、低脂質を謳っている食品も多くあります。
  膵炎患者の一日の脂質の限度量としてよく耳にするのは30グラムです。40グラムというお医者さんもおられます。いずれにしてもポテトチップス一袋分の脂質であり、かなりの節制を必要とする量です。

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